個人事業主の家事按分とは
自宅を事務所として利用している個人事業主の場合、家賃や水道光熱費など、プライベートと事業を兼ねた支出が生じる場合があります。これを家事関連費といいます。
この家事関連費の事業利用分を計算して、経費として計上することを家事按分といいます。
青色申告と白色申告で違いはある?
家事関連費の経費算入については、所得税法施行令で定められていて
①家事関連費の主たる部分(つまり50%以上)が業務の遂行上必要であり、かつその必要である部分を明らかに区分することができる場合
②青色申告の場合は、業務の遂行上直接必要であったことが取引の記録等で明らかな場合
以上どちらかの条件を満たしている場合に経費にできるとされています。
こう見ると青色申告の方が経費算入しやすそうですが、実務的にはそういうわけでもありません。
国税庁の「法令解釈通達」という、税法の取扱い等の指針では、「家事関連費のうち業務の遂行上必要部分が50%を超えるかどうかにより判定するが、50%以下であっても必要な部分が明らかに区分できる場合は経費算入してかまわない」とされています。
つまり、青色申告でも白色申告でも、プライベートと事業の明確な区分ができれば必要経費として計上してかまわないため、実務的な取扱いに違いはありません。
計上しない年があっても良い
家事按分の割合については、例えば家賃の按分については「この月だけ業務で使用する面積がどうしても増える」といった場合もあると思います。そんな時は明確な理由・記録等があれば、割合を変更してもかまいません。
また、家事関連費の事業支出が少額になる場合などは、計算根拠やそれを証明する資料の整備をするといったコストをかけず、「経費計上しない」という選択をすることも可能です。
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