top of page
検索
  • サイト管理者

「交通税」導入への課題

滋賀県で導入が検討されている

2022年5月末ごろ、複数のメディアが「滋賀県で交通税が検討されている」と報じていました。報道によると滋賀県の税制審議会が「地域の公共交通機関を支える税制を検討すべき」という答申をまとめ、知事が導入を検討する方針を示しているということです。交通税が導入されれば、全国初となります。


自治体で税を新しく作ることはできる

地方自治体は、地方税法に定める税目(法定税)以外に、条例によって税を新設することができます。「法定外目的税」と言われるものですが、石油価格調整税、遊漁税、産業廃棄物税、宿泊税等、地方自治体が独自に制定しているものは多くあります。


今回の滋賀県のケースで言えば、「交通税」という法定外目的税を新たに制定し、滋賀県の公共交通機関の運営財源に充てることになります。


課題が多い交通税

なぜ「交通税」が「導入されると全国初」なのでしょうか? それは課題が多いからです。日本には「受益者負担の原則」があり、利用して利益を得る人が維持費を負担すべきという考えが根強いことや、税という公的なお金を直接民間企業に充てることなどが課題となります。


また、厳しい経営状況にある公共交通機関事業者については、自治体が助成しているケースや、公有民営や第三セクターで運営されている交通機関等、税の徴収以外で現在行われている対応策が多々あります。わざわざ税を新設しなくても良い、という意見もあるでしょう。


滋賀県がチャレンジする意義

ただ、現在行われている公共交通機関への助成はジリ貧の印象が濃く、上手くいっている例が多いとは言えない状況です。また、公共交通機関の経営難については、広域的な問題のため、市区町村単体ではなかなか解決できないものです。


滋賀県の「国の取組を待たず、また、個々の市町の区域にも限定されない、広域的な見地に立つ県として、導入へ向けた挑戦をすべきものである」という力強い言葉は、現在の日本社会を見れば、確かにその通りだと思えるものではあります。今後どのような方向になるのか、注目したいですね。



名称 税理士法人シグマパートナーズ (税理士法人番号:第3423号) 代表社員 堀内 太郎 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 所在地 東京事務所 〒101-0046 東京都千代田区神田多町2丁目2-22 千代田ビル8F TEL:03-3525-4378 FAX:03-3525-4379 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 山梨事務所 〒400-0867 山梨県甲府市青沼2丁目23-13 TEL:055-237-4504 FAX:055-237-0562 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 当サイトの情報は、一般的な参考情報の提供のみを目的に作成されております。 弊法人は、利用者が当サイトを利用したことにより被ったいかなる損害についても、 一切の責任を負いません。 具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家にご相談ください。
閲覧数:12回0件のコメント

最新記事

すべて表示

クラウドサービス利用の注意点

クラウドサービス利用と個人情報保護法 ネットビジネスの進歩によって、クラウドサービスを利用する企業が多くなりました。同時に、クラウドサービスを利用する際には、個人情報保護法との関連で注意すべき点もあります。 多くの民間事業者は、基本的に個人情報保護法における、個人情報取扱事...

交際費から除外される接待飲食費の金額基準

令和6年度の交際費に係る改正 令和6年度税制改正により、交際費等の範囲から除外される接待飲食費の金額基準が1人当たり1万円以下(改正前5000円以下)に引き上げられました。物価高や経済活動の活性化の観点からの改正とのことから、従来のように事業年度単位での適用関係ではなく、税...

税法における中小法人、中小事業者、中小企業者

「中小法人」を検索すると 法人税法で「中小法人」という言葉を検索すると、欠損金の繰越の条文のところにだけ出てきます。所得の50%が繰越欠損金の損金算入限度との規定のところで、資本金1億円以下の普通法人等(「中小法人等」という)については損金算入制限がないとしています。...

Comentários


bottom of page